戦略イニシアティブ

機構は、個人研究を支援するシステムではなく、研究拠点の育成を支援するシステムです。従って、機構において支援する研究センター等は、自らの拠点形成計画や研究プロジェクト計画を持ち、一定以上の研究基盤(教員数、競争的資金)を有することが必要です。また、拠点形成の促進には、拠点の成長段階に応じた支援を行う必要があります。以上の観点から、戦略イニシアティブには、下記4種類のカテゴリを設けています。

海外教育研究ユニット招致

趣旨及び目的

本事業はスーパーグローバル大学創生支援の取組の一環として、本学内に海外の著名な大学又は研究機関の研究者を含めた研究室(以下「海外教育研究ユニット」と言う)を招致し、本学内に世界トップレベルの教育研究拠点を実現することにより国際共同研究の強化、国際共著論文の増加、海外の大学又は研究機関との教育及び研究の連携強化等を図ることを目的としています。本事業は、以下の中から一つ以上を招致要件とすることとしています。

  • 連携強化
    • 研究者や大学院生の活発な相互交流・連携の強化
    • 国際共同研究・教育の推進
    • 国際ネットワークの強化及び拡充
  • 研究拠点形成
    • 世界的に著名な研究者招聘による
      次世代の世界最先端研究拠点の形成
    • 世界トップレベルの研究拠点の戦略的な形成
    • 世界に開かれた教育拠点の形成
    • 国際的大型競争的資金の獲得
  • 研究環境の整備
    • 外国語(英語)による研究成果発信力の向上
    • 被引用論文の国際的シェア及び
      国際共著論文数の飛躍的な拡大
    • 大学の研究・教育環境の国際化推進
    • 構成員の意識改革と研究の活性化
  • 人材育成
    • 若手・女性研究者の質と量を充実
    • 国際的に通用する人材の育成
    • 国際的に活躍する次世代研究者の確保及び好循環の創出
    • 優秀な外国人研究者や留学生の増加

取り組み

海外教育研究ユニット招致概要
PIは、本学に一定期間滞在し、
本学の教授として研究室を運営
  • ・本学に常駐する副PIを任期付き教員として雇用
  • ・本学の研究グループから海外ラボへ研究者を派遣
海外教育研究ユニット招致概念図

世界トップレベルの教育研究を行っている海外教育研究ユニットを招致します。招致期間は原則5年間とします。海外研究機関に勤務する著名研究者をPrincipal Investigator(PI)とし、本学教授として委嘱します。PIは本学に一定期間滞在し、共同研究の実施及び本学学生の研究指導を行います。副PIは本学に常駐し、任期付き助教又は准教授として雇用します。併せて、本学の研究グループから、海外研究機関への研究者の派遣も行います。

海外教育研究ユニット招致状況
 
ユニット名 受入責任者 招致機関 備考
所属 職名 氏名

ハンブルク大学

アジア・アフリカ研究所
インド学チベット学研究室

人文社会系 教授 吉水 千鶴子

ハンブルク大学

Department of Indian and Tibetan Studies,
Asia-Africa Institute, University of Hamburg

H26年度設置
期間:H26~30
継続:R1~2

ライデン大学

メディカルセンター
分子細胞生物学研究室

医学医療系 教授 加藤 光保

ライデン大学

Leiden University Medical Center

H26年度設置
期間:H26~30
継続:R1~2

オーフス大学

融合材料研究センター研究室

数理物質系 教授 西堀 英治

オーフス大学融合材料研究センター

Aarhus University

H27年度設置
期間:H27~R1
継続:R2~4
海洋酸性化国際フィールド学研究室 下田臨海
実験センター
(生命環境系)
教授 稲葉 一男

プリマス大学

Plymouth University

H27年度設置
期間:H27~R1
継続:R2~4
エモリー大学
社会性行動神経ネットワーク研究室
人間系

助教

教授

仲田 真理子
野呂 文行

エモリー大学

Emory University, Atlanta, USA
Center for Social Neural Networks:
Young Lab East

H29年度設置
期間:H29~R3
継続:R4~6

グルノーブル・アルプ大学

理工学教育研究ユニット

数理物質系 教授 黒田 眞司

グルノーブル・アルプ大学
Université Grenoble Alpes

H27年度設置
期間:H27~R1
継続:R2~4

カリフォルニア大学アーバイン校

神経生物学・行動学部

スポーツ神経科学研究室

体育系 教授 征矢 英昭

カリフォルニア大学アーバイン校
University of California, Irvine

H28年度設置
期間:H28~R2
継続:R3~5

ユトレヒト大学

クォーク・グルオンプラズマ研究室

数理物質系 講師 中條 達也 ユトレヒト大学
Institute for Subatomic Physics,
Utrecht University
Quark Gluon Plasma Research Unit

H29年度設置
期間:H29~R3

継続:R4~6

キュリー研究所

成長生理遺伝学研究室

生存
ダイナミクス
研究センター
教授 丹羽 隆介 キュリー研究所
Institut Curie

R4年度設置

期間:R4~8

オハイオ州立大学

トランスレーショナル・

データ・アナリティクス研究所

人工知能
科学センター
人文社会系

教授

教授

櫻井 鉄也
木村 武史
オハイオ州立大学
Translational Data Analytics Institute(TDAI)

R4年度設置

期間:R4~8

グルノーブル・アルプ大学
物質科学研究拠点
数理物質系 教授 黒田 眞司

グルノーブル・アルプ大学
Université Grenoble Alpes

R4年度設置

期間:R5~9

ブリティッシュコロンビア癌研究所
リンパ腫病態研究室
医学医療系 教授 坂田 麻実子

ブリティッシュコロンビア癌研究所
BC Cancer Research Institute

R4年度設置

期間:R5~9

オーフス大学

融合材料研究センター研究室

数理物質系 教授 西堀 英治

オーフス大学融合材料研究センター

Aarhus University

R5年度設置
期間:R6~8

国際テニュアトラック制度

筑波大学は、研究大学強化促進事業に示した研究力強化を図るため論文被引用度と強い相関関係にある国際共著率向上の取組を実施するための施策として国際テニュアトラック制を実施します。本制度は、優れた若手研究者を国際テニュアトラック教員として雇用し、そのテニュアトラック期間に海外のトップクラスの研究機関に派遣することによって、Q値の向上、国際共同研究の強化、国際共著論文の増加、海外一流研究機関との人脈形成等を図り、もって大学の研究力を強化することを目的とします。現在、「研究大学強化促進事業」内で実施しています。

国際テニュアトラック制度の概要

国際テニュアトラック制度

テニュア審査期間の研究を海外の著名な研究機関(共同研究先)で行い、そこでの業績をテニュア獲得審査に利用し、長期的な国際研究のパイプ構築を目指します。

国際テニュアトラック教員の研究情報

学内研究ファンド

研究力強化のための学内公募プログラム/
研究加速型研究支援プログラム

研究戦略イニシアティブ推進機構では、本学の研究者による独創的・先駆的な発想による研究が国際的研究コミュニティーで認知・評価され、新たな国際共同研究が始まり結実する事を後押しすることを目的としたプログラム([1]研究力強化のための学内公募プログラムおよび[2]研究加速型研究支援プログラム)を実施致します。

[1]
研究力強化のための
学内公募プログラム制度概要

次の4種類のプログラムにより、研究者の研究成果の国際的周知から、次なる研究進展に向けたホットトピックの把握、注目研究者を招いてのセミナー/ミニシンポジウム開催、また若手研究者向けの2ヶ月までの海外ラボ滞在、独自性の高い研究スキル等を携えての国際行脚までを推進します。

  • Ⅰ.
     海外共同研究促進のための
    短期渡航支援プログラム
  • Ⅱ.
     セミナー・ミニシンポジウム
    スタートプログラム
  • Ⅲ.
     若手研究者中短期海外派遣プログラム
  • Ⅳ.
     オンリーワン共同研究開拓プログラム
[2]
研究加速型研究支援
プログラム制度概要

上記、Ⅲ.若手研究者中短期海外派遣プログラムまたはⅣ.オンリーワン共同研究開拓プログラムへの申請者には、研究加速型研究支援プログラムへの応募資格があります。ⅢまたはⅣは旅費や会費参加費・広報活動費等のサポートですが、本プログラムは研究を推進するための研究費(研究機器、研究消耗品等)をサポートします。

2019年度 研究力強化のための学内公募プログラム

新型コロナウイルス緊急対策のための大学
「知」活用プログラム(2020年度実施)

「知」活用プログラム

世界規模で拡がる新型コロナウイルスによる危機的状況の解消を目指し、筑波大学のあらゆる分野の専門家が研究力を発揮し課題解決に寄与することをバックアップする学内公募型研究資金です。
医療分野に限らず、新型コロナウイルス感染拡大による社会的混乱を解決するための多様な研究課題解決を支援し、その成果をいち早く社会に伝えることを目指し、全国の総合大学に先駆けて、2020年5月に27の研究プロジェクトをスタートしました。
このプログラムでは、研究期間を10月末とし研究期間後も広報費を支援する「短期集中型」と研究期間を年度末までとする「中期型」の2種目を設定しました。
本プログラムの目的のひとつは、研究成果をいち早く社会に還元することです。多くの研究助成は、審査の後に研究費を配分し研究期間終了後に報告書の提出をもって終了となります。しかし本プログラムでは、研究成果が社会の健全化に最速・最大限に寄与できるよう、ウェブサイトを開設しプロジェクトの成果をスピーディに発信することに努めています。危機的状況だからこそ、大学の研究が社会的役割を果たす重要な機会であると考えます。

 
筑波大学「知」活用プログラムウェブサイト
https://www.osi.tsukuba.ac.jp/fight_covid19/
[新型コロナウイルス緊急対策のための
大学「知」活用プログラムスケジュール
新型コロナウイルス緊急対策のための大学「知」活用プログラムスケジュール
  A. 短期集中型 B. 中期型
支援期間 研究実施期間/2020年5月25日~10月30日
広報支援期間/2020年6月1日~2021年2月26日
研究実施期間/2020年5月25日~2021年3月31日
支援額(上限) 研究費50万円+広報費50万円 研究費100万円
採択件数 18件 9件

過去の活動(支援事業を含む)

研究大学強化促進事業

背景

近年、我が国の論文数等の国際的シェアは相対的に低下傾向にあり、大学等における研究体制・研究環境の全学的・継続的な改善や、研究マネジメント改革などによる国際競争力の向上が課題となっています。このような状況を踏まえ、研究力強化の取組を支援・促進することにより、世界水準の優れた研究活動を行う大学群を増強し、もって我が国全体の研究力強化を図っていくことが求められており、文部科学省は平成25年度より「研究大学強化促進事業」を実施しています。

関連リンク:文部科学省のホームページ https://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/sokushinhi/ 

本学の取組概要

本学は平成25年度「研究大学強化促進事業」の支援対象機関に採択されました。本学の研究活動の状況に関する自己分析を踏まえた、研究力向上に資する集中的な研究環境改革への取組として、①研究戦略や知財管理等を担う研究マネジメント人材(リサーチ・アドミニストレーター等)の確保・活用や、②競争力のある研究の加速化促進のための研究環境整備、③先駆的な研究分野を創り出す研究環境整備、④国際水準の研究環境整備を行います。

筑波大学「研究力強化実現構想」
詳細はこちら
筑波大学革新的研究等支援プログラム
(パイロットモデル)

13件採択
(支援期間:平成22年度~平成23年度)

区分 分野 拠点名称 拠点代表者
①グリーン・イノベーション 理工農系 量子ドット・ポリマーハイブリッド太陽電池の研究 数理物質系
教授・舛本 泰章
石油産出植物 Euphorbia tirucalli における可燃性化合物の生産増大 生命環境系
助教・三浦 謙治
②ライフ・イノベーション 医療系 分子生物学と3次元病理形態学と数理科学を融合したがん研究の創成 医学医療系
教授・加藤 光保
変異株問題を克服する抗インフルエンザウイルス薬の開発 医学医療系
教授・永田 恭介
学際・複合・新領域 神経幹細胞から多様なニューロンが分化する分子メカニズムの解明 生命環境系
准教授・笹倉 靖徳
磁性ナノ粒子+腫瘍浸透ペプチドによる難治固形癌の電磁誘導焼灼治療 医学医療系
講師・小田 竜也
③筑波大学・つくば地域の
特性を活かした研究、
基礎研究の振興などのテーマ
理工農系 高温超伝導コヒーレントかつチューナブルTHz発振デバイスを利用した
イメージングへの応用
数理物質系
教授・門脇 和男
つくばナノエレ産学独連携拠点構築による
低電圧低消費デバイスの教育と研究
数理物質系
教授・山部 紀久夫
微生物バイオ資源の新領域の開拓と利用 生命環境系
教授・小林 達彦
学際・複合・新領域 学生協働・地場連携による筑波大学キャンパス・リノベーション
-グリーン・イノベーションとライフ・イノベーションの融合-
システム情報系
教授・大澤 義明
下流汚染蓄積型湖沼における流域水・物質循環の観測・モデル化と
持続性維持のための管理手法
生命環境系
教授・福島 武彦
人口減少・高齢化社会に立ち向かう持続可能な地域システムと
ソーシャルイノベーション - Smart Wellness City の実現を目指して-
体育系准
教授・久野 譜也
④最先端研究基盤整備 理工農系 生命科学最先端分析オープンイノベーション拠点 生命領域学際
研究センター
センター長・
浅島 誠
リサーチ・アドミニストレーターを
育成・確保する事業