• 2021年1月15日
  • プレスリリース
  • 海洋酸性化によって停滞した生物多様性の変化はCO2濃度の低減によって回復する

現在の海洋中のCO2濃度は、サンゴや大型海藻の海中林などの生物体が、海底で複雑な三次元的構造(構造的複雑性)を作り出すのに適しており、それによって高い生物多様性が保たれています。一方、CO2濃度が高くなり海洋が酸性化すると、生物群の構成が変化する過程(遷移過程)の初期段階において、環境の変化が激しい場所でも多くの子孫を残す生存戦略をとる、微細藻や小型の藻類(日和見種)が増え、他の大型藻類の加入が阻害されます。そのため、生態系における種の多様性は低いままとなり、構造的な複雑性を持つことができません。構造的複雑性は、様々な生物資源を創出するなど、生態系の機能的側面を支えており、その喪失は、人類が享受する生態系サービスの劣化を意味しています。

 

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