Driving Sustainable Development
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MESSAGEメッセージ

鈴木 石根

学長補佐(特命:環境)/
つくば3Eフォーラム議長/
生命環境系教授

つくば3Eフォーラム、
SDGsとエネルギー生産の未来

つくば3EフォーラムとSDGs未来都市に選定されたつくば市、
2030年の目標実現のカギになり得るのは「バイオマスによるエネルギーの再生産」である。

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SDGsへの取り組みとつくば3Eフォーラム

2007年に結成されたつくば3Eフォーラムは、2030年までにつくば市のCO2排出量を50%削減する目標を掲げ、筑波大学を主体に研究機関、自治体が連携して活動しています。

 

省エネルギー・低炭素社会を実現するためには、エネルギー(Energy)、環境(Environment)、経済(Economy)の三要素のバランスが重要で、どれか一つが欠けても目標は達成できません。そこで、3Eフォーラム内には、現在3つのタスクフォースを設けて活動しています。水素エネルギーの実装を提案する「次世代エネルギーシステムタスクフォース」、藻類を使った燃料生産をはじめ、水耕栽培など農業との関わりや環境保全を行う「バイオマスタスクフォース」、そして公共交通機関の利用を推進する「都市構造・交通システムタスクフォース」です。これらが自治体や企業とも連携し、つくば市のCO2削減に取り組んでいます。

 

また、つくば3Eフォーラムは、一般市民に向けて「つくば3Eフォーラム会議」を毎年1月に開催しています。2019年開催の第12回フォーラム会議では、メインテーマを「SDGsの中の3E」としました。SDGsへの取り組みは、つくば3Eフォーラムの3つの支柱である「環境」、「エネルギー」、「経済」を内包しています。したがって、つくば3Eフォーラムを推進することはSDGs実現のための重要な一部分を担っていると認識しています。

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藻類バイオマスによるエネルギーの再生産

CO2排出量の50%削減というつくば3Eフォーラムの目標の実現には、化石燃料の消費を減らす必要があり、また同時に代替エネルギー(物質)の開発が不可欠です。「石油に代わるエネルギーを作り出す」という難しい課題を地球上で可能にするのは、バイオマス生産しかありません。フォーラムの「バイオマスタスクフォース」が掲げる課題の1つに、「藻類のエネルギー利用システム」があります。これはエネルギー資源の「リサイクル」ではなく、エネルギー資源の「再生産」を目指す取り組みです。

 

具体的には、下水・排水処理と藻類によるエネルギー生産あるいは農業生産のマッチングです。通常、汚水の処理はエネルギーを投資して行われますが、藻類の性質を活かすことでエネルギーの生産が可能になります。藻類の培養を下水処理と組み合わせ、藻類からオイルを生産し、汚泥焼却などに利用する新たな試みが実現できれば、新たなエネルギー資源の獲得につながり、低酸素社会が実現できるかもしれません。

 

水の循環にたとえるなら、下水という生活の最下流からエネルギーを生産し、上流にエネルギーの雨をもたらすようなものです。これは、化石燃料の採掘や資源を再利用するのではく、エネルギーそのものを生み出す画期的なプロジェクトです。現状、民間レベルの運用には至っていませんが、化石燃料に代替するエネルギーとして成長する可能性は十分あり、SDGsが掲げるエネルギーと環境の課題解決に大きく貢献することが期待されます。

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SDGs未来都市実現との協調

昨年、つくば市は、茨城県内でただ一つ「SDGs未来都市」に選定されました。市民のSDGsへの関心も高まっています。

 

つくば市が提案した「つくばSDGs未来都市先導プロジェクト」の「CIVIC事業」には、つくば3Eフォーラムの事業と重なり合う部分が多く見られます。

 

今後は、この事業とも歩調を合わせて推進する必要があります。

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