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研究戦略イニシアティブ推進機構|筑波大学「知」活用プログラム|新型コロナウイルス感染症研究支援|ヘッダーアイコン画像

健康 health

Principal investigator

堀 愛

Hori Ai

医学医療系
Faculty of Medicine
筑波大学「知」活用プログラム|新型コロナウイルス感染症研究支援|研究員画像

コロナ禍は一般住民に健康格差をもたらす!?
健康被害を受ける住民への救護策を考える

コロナ禍は一般住民に健康格差をもたらす!?
健康被害を受ける住民への救護策を考える

Will the COVID-19 crisis bring health disparities to the general public?
Proposing relief measures for residents with health damage


新型コロナウイルス感染拡大防止のための緊急事態宣言等の発令による人の活動制限は、一般住民の生活・健康・社会・経済活動に大きな変化をもたらしました。とりわけ低所得階層や非正規雇用者、妊産婦といった特定の集団での健康被害が想定され、健康格差の拡大が懸念されます。わたしたちはインターネットを用いた大規模調査を実施し、一般住民の生活・健康・社会・経済活動に関する情報を社会疫学的手法で分析することで、健康被害の実態を明らかにします。特に、疾患・受療行動や飲酒・喫煙、就労といった因子について健康格差に着目した評価を行い、科学的根拠に基づいた社会経済的救援策や健康増進施策の提案に繋げることを目指します。

Restrictions on people’s activities based on the declaration of emergency to prevent the spread of COVID-19 infection have caused major changes in daily life, health, and social/economic activities of the general public. As specific groups, such as the low-income class, non-regular employees, and pregnant and parturient women, may be particularly subject to health damage, there are concerns over increased health disparities. We will carry out large-scale surveys using the Internet, and clarify the actual degree of health damage by analyzing the obtained information on the daily life, health, and social/economic activities of the general public by adopting social epidemiology approaches. Specifically, we will examine factors, such as diseases, care-seeking behaviors, drinking, smoking, and work, focusing on health disparities, with the aim of proposing evidence-based socio-economic relief and health promotion measures.

Project Name
新型コロナウイルス感染症問題による健康格差の評価
The Japan COVID-19 and Society Internet Survey
Keywords
新型コロナウイルス感染症、健康格差、健康影響評価、社会疫学
Coronavirus disease 2019, Health inequalities, Health impact assessment, Social epidemiology
Collaborators
田淵 貴大(大阪国際がんセンター)
Tabuchi Takahiro, Osaka International Cancer Institute
Project Web Site
Related Link
https://medical-tribune.co.jp/news/2020/0622530652/
Contact

News2022.04.21

【出版】ポスト・コロナ学―パンデミックと社会の変化・連続性、そして未来

2020年度実施した、本プログラム(新型コロナウイルス緊急対策のための「知」活用プログラム)を基盤として、2021年度には新型コロナウイルスの影響に関する最先端の研究を学生に還元する「TSUKUBA新型コロナ社会学」を筑波大学において開講しました。
そして、2022年4月、この科目の担当教員や共同研究者などのネットワークの共著により『ポスト・コロナ学―パンデミックと社会の変化・連続性、そして未来』が明石書店より出版されました。


目次

はじめに
Ⅰ.新型コロナと公衆衛生・社会
1 新型コロナ時代の公衆衛生の役割を考える[堀愛]
2 日本国憲法の視点から考える新型コロナ対策――人権の多面性と国家の役割[秋山肇]
3 強制的テレワークにより従業員が受けた影響[マニエ-渡邊レミー・ベントン キャロライン・内田亨・オルシニ フィリップ・マニエ-渡邊馨子]

Ⅱ.新型コロナと福祉・教育
4 COVID-19感染拡大が高齢者の活動に及ぼした影響[山田実]
5 障害者の虐待・孤立の実態把握と対策――障害のある人たちは新型コロナによって影響を受けたか[大村美保]
6 障害の有無にかかわらず、学びやすいユニバーサルな学習環境[佐々木銀河]

Ⅲ.新型コロナと日本、世界
7 コロナ下のマイグレーションとマイグランツ[明石純一・大茂矢由佳・金井達也]
8 蔓延初期の日本・英国・ドイツ市民の行動変容[谷口綾子]

Ⅳ.新型コロナと芸術
9 ディスタンス・アートの創作手法分析[宮本道人]
10 COVID-19下の創造性と芸術表現[池田真利子]

Ⅴ.新型コロナとポスト・コロナ学
11 新型コロナと社会の変化・連続性――ポスト・コロナ学の構築に向けて[秋山肇]




● ポスト・コロナ学―パンデミックと社会の変化・連続性、そして未来 (明石書店)

News2021.09.03

「COVID-19ワークショップ」のネットワークから研究成果が発信されました

松島みどり准教授(人文社会系)がSSM - Population Health誌に「COVID-19禍における産後女性の信頼とウェルビーイング:産後うつと新型コロナウイルス感染症恐怖」というタイトルで、研究成果を発表しました。

平常時及び危機的状況下においても信頼感は精神的健康の悪化を防ぐ緩衝効果を持つことが、先行研究から明らかになっています。COVID-19パンデミック禍において、産後女性は社会的支援の低下等により、精神的健康を害するリスクが高まっていることから、本稿では、一般的信頼と政府への信頼が産後女性の精神的健康とどのように関連しているかを定量的に検証しました。
その結果、一般的信頼が高い女性は抑うつ症状を示す確率が低いこと、COVID-19への不安や恐怖が低いことが示されました。しかし、一般的信頼と抑うつ症状の関連は人口当たりCOVID-19陽性者割合の高い地域では確認されなかったことから、平常時、または現在までに人類が経験してきた災禍においては精神的健康状態の悪化リスクの少ない女性であってもCOVID-19禍では精神的健康を害している可能性が示唆されました。

本研究は、2020年12月に実施した「COVID-19危機を一緒に考え挑む仲間に逢うワークショップ」で出会った松島先生と堀愛助教(医学医療系)が共同研究に発展し今回の論文発表に至りました。
本研究において精神的健康の指標として用いた「日本語版新型コロナウイルスの恐怖尺度」は「『知』活用プログラム」が支援を行った太刀川弘和教授(医学医療系)が開発したものです。また、太刀川先生による「新型コロナウイルス感染症に関わるメンタルヘルス全国調査」の成果も松島先生の研究において参照されています。

<文献情報>
Trust and well-being of postpartum women during the COVID-19 crisis: Depression and fear of COVID-19

Midori Matsushima, Kanami Tsuno, Sumiyo Okawa, Ai Hori, TakahiroTabuchi
SSM - Population Health, Volume 15, September 2021
https://doi.org/10.1016/j.ssmph.2021.100903


<関連リンク>
● 新型コロナウイルス感染症問題による健康格差の評価
プロジェクト代表:堀 愛


● ひきこもりから学ぶ新しい生活様式
プロジェクト代表:太刀川 弘和


● 新型コロナウイルス感染症に関わるメンタルヘルス全国調査
https://plaza.umin.ac.jp/~dp2012/covid19survey.html

● Confirming validity of The Fear of COVID-19 Scale in Japanese with a nationwide large-scale sample
Haruhiko Midorikawa, Miyuki Aiba, Adam Lebowitz, Takaya Taguchi, Yuki Shiratori, Takafumi Ogawa, Asumi Takahashi, Sho Takahashi, Kiyotaka Nemoto, Tetsuaki Arai,Hirokazu Tachikawa
PLOS ONE, February 10, 2021
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0246840

News2021.02.24

「TSUKUBA新型コロナ社会学」を開講(NEWSつくば)

2021年度開講する「TSUKUBA新型コロナ社会学」の紹介記事が「NEWSつくば」に掲載されました。

●「TSUKUBA新型コロナ社会学」を開講 新年度の筑波大学
https://newstsukuba.jp/29738/24/02/

News2021.02.19

「TSUKUBA新型コロナ社会学」を開講

本プログラム参加プロジェクトが連携し、新型コロナウイルスの影響に関する最先端の研究を学生に還元する「TSUKUBA新型コロナ社会学」を筑波大学において令和3年度4月に開講します。
人間系・人文社会系・システム情報系・医学医療系・ビジネスサイエンス系・芸術系の研究者によるオムニバス形式の授業で、学際的な視点で新型コロナウイルスが社会に与えた影響を学べる授業の開講は、世界的にも独自性が高い本学ならではの取り組みです。
卓越した研究力を誇る総合大学の特徴を生かし、学際的に新型コロナウイルスの影響を分析する新たな学問分野の創生を目指します。

●オーガナイザー 秋山 肇(人文社会系)
●授業内容
1. COVID-19と日本国憲法 秋山 肇(人文社会系)
2. 日本・英国・ドイツのCOVID-19対応政策と市民の行動変容 谷口 綾子(システム情報系)
3. コロナ時代の人の越境をめぐる政策と技術 明石 純一(人文社会系)
4. The Coronavirus and Mandatory Telework from Home: Effects on Regular Workers’ Subjective Well-being, New Male Roles, and Job Productivitys
 Remy Magnier-Watanabe, Faculty of Business Sciences
(新型コロナウイルスによる強制的な在宅勤務は、主観的な幸福・仕事の生産性・男性の役割にどのように影響したか? マニエー渡邊 レミー(ビジネスサイエンス系))
5. 新型コロナ時代の公衆衛生の役割を考える 堀 愛(医学医療系)
6. COVID-19感染拡大が高齢者の活動に及ぼす影響 山田 実(人間系)
7. 障害者の孤立・虐待の実態把握と対策 大村 美保(人間系)
8. 障害の有無にかかわらず、学びやすいユニバーサルな学習環境 佐々木 銀河(人間系)
9. ディスタンス・アートの創出手法分析 宮本 道人(システム情報系)
10. COVID19下の創造性と芸術表現 池田 真利子(芸術系)

●プレスリリース(2021.2.19)
●参考資料(シラバス)

<本件に関する問い合わせ先>
筑波大学 人文社会系 助教 秋山 肇

Tel: 029-853-4063
E-mail: akiyama.hajime.gp[at]u.tsukuba.ac.jp
筑波大学 教育推進部教育推進課
Tel: 029-853-2243
E-mail: kyomu-group[at]un.tsukuba.ac.jp
※E-mail アドレス内[at] は半角@に替えてメール送信ください。

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