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文化 culture

News2020.09.25

夜間音楽経済(Night-time Music Economy)コロナ時代の「夜」の地理学 ほか



池田真利子助教(芸術系)が、プロジェクトの研究成果を発表しました。

「地理」第65巻第10号, 2020
特集:フィールドの安全対策を考える
コロナ時代の「夜」の地理学─音楽と音の紡ぐ未来
  池田真利子
コロナ時代の夜間音楽経済
  池田真利子・田中順也・小竹輝幸・小林 愛・アセファ テメスガン
夜のウォーターフロントの再編とナイトライフ
  太田 慧・飯塚 遼・杉本興運・池田真利子
自然のなかの光と音の観光
  坂本優紀・池田真利子・磯野 巧・卯田卓矢・柿沼由樹
コロナ時代の研究とフィールドワークの再考
  池田真利子・モーグナー クリスティアン・レレンスマン ルイーゼ 

<要旨>
都市のナイトライフ街区を形成し,文化的アメニティでもある「夜間音楽経済(Night-time Music Economy)」は,2020年8月現在にメディアを賑わす「夜の店/夜の街」と同様,2020年3月を境に運営の困難な状況に置かれた。それは,夜間音楽経済施設(例えばライブハウスやクラブ,ライブバー)が「3密(密閉・密集・密接)」を回避することが困難なことに起因する。本来的に、音楽/音は非-物質として建物外あるいは占有地域外へと拡大する性質を有しており,営業時間も夕刻から夜間,早朝の場合も多く,騒音問題が発生しやすいことに起因して密閉に成らざるを得ない構造である。また、音楽空間提供そのものをサービスとするこれらの施設は,その他音楽関連施設(音楽ホールや劇場等、座席数の設定がある施設)と比較して密集・密接を厳密には回避しにくい構造にある。他方で夜間音楽経済に対する支援は,その実施方法も含めて困難を極めている。こうした非常事態における対応をより困難としている理由に,行政レベルの夜間音楽経済の統計整備および実態報告書の不足,そして夜間音楽経済の事業体から成る横断的組織の発信等がある,と考えている。とりわけ,夜の音楽経済活動に対する社会的認識が不足する日本では,夜間音楽経済の消費的側面には注目が向けられてきたものの,その生産的側面は看過されてきた。そこで,夜間音楽経済の基礎的統計整備や実態報告書整備に向けた足掛かりとすべく,これまで学術的に看過されてきた夜の時空間と文化経済活動の研究の進展を目指し,①芸術・文化創造コミュニティからみた夜の都市間ネットワーク,②コロナ下における芸術表現(音楽に限らず,広く芸術活動)の概況とその変化,③オンラインにおける国際共同研究の可能性に関して,古今書院の協力の基,特集号を企画・発表した。なお,本特集号には,コンサルティング産業を含む民間企業から4名,参加した。

● 地理 2020年10月号 http://www.kokon.co.jp/book/b534039.html

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